主な点を整理してみました!
【メリットその1】水道の20分の1の料金で使える
井戸水はポンプをくみ上げる電気代が必要なだけなので、水道のように高い料金を支払う必要がありません。
水道の場合と比較すると、約20分の1の電気代で済む計算に。つまり、水道水の代わりに井戸水を使えば使うほど、水道料金の節約につながります。シャワーや水遊びを沢山する夏場なら水道料金は約半額、それ以外の時期であれば約30%の節約となるそうです。
補足)下水道完備地域の場合は、ほとんどの地域で蛇口から出た水が全て下水道に流れ込む想定のもと、上水道の料金と共に下水道の料金も徴収される場合がほとんどです。例えば、庭の散水や洗車、水遊びなどに使った水で下水道に流れない場合でも、このシミュレーションのように下水道の料金が発生しています。
【メリットその2】水温が年中一定
地下数メートル~数十メートル程度の地下水温は、年中ほぼ一定の水温と言われています。
一般の水道水は地表近くを通って来るので、夏は暖かく、冬は冷たいのが普通ですが、井戸水は水温が一定なので、夏は冷たく、冬は暖かく感じます。この夏は冷たく、冬は暖かい地中熱を家庭用のエアコンやエコキュートなどのヒートポンプシステムに活用する事で、電気代を大幅に削減する事が出来ます。
【メリットその3】水のカルキの臭いが無く、おいしい
水道水は消毒のために、塩素(カルキ)が含まれていて、独特の塩素の臭いがあります。
日本の地下水(井戸水)は、一般的に良質な軟水が多く、井戸によってはそのままで飲んでも問題の無いものも多いといわれています。
つまり、井戸水はおいしいということ。
また、カルキが無いということは、井戸水は肌にも優しく、目を洗っても充血することがありません。
特に、塩素はアトピーと深い関係がありますから、健康のためにも井戸水を活用出来るといいですね。
井戸水風呂に変えてから、夏にあせもが出なくなった方もおられます。
半面、そのままの状態では塩素消毒されていないので、汲み置き水の取り扱いには配慮が必要になります。まあ、何でも腐らない・カビないのが良いかというと、そのぶん体調に影響を及ぼしているという事ですね。
【井戸水のメリットその4】災害時の防災井戸として活用できる
井戸水のメリットとして忘れてはいけないのが、災害時の防災井戸として活用できるということです。
現在、非常用の備蓄として蓄えられている水は清潔な飲用水が多く、災害時にそのきれいな限られた水をトイレの掃除などといった衛生管理に回すことは出来ません。
実際に、阪神淡路大震災や熊本地震でもトイレや手洗い用の衛星用水が不足し、それが原因で発病や亡くなった方がいらっしゃったそうです。
ここからはデメリットを。
【デメリットその1】井戸水が汚れている場合がある
全ての井戸からくみ上げられる井戸水がきれいではありません。井戸水の水質は、時と場合によって変化します。例えば、家の近くに工場や畑がある場合、そこから井戸水に環境汚染物質が流れ込んでいる可能性があります。
このほかにも、昔ながらの家が多い地域などでは下水が地下水に混入していたり、最近の調査では井戸水の中にピロリ菌がいる可能性があることも分かってきています。特に井戸水を飲用として活用する場合は、事前に水質検査をしたり、または高機能な浄水器を設置するなど、何か対策をしたほうが安心です。
【デメリットその2】電動ポンプは停電の場合水が出なくなる
水道の場合は、家が停電になっていても給水設備が停電になっていなければ、蛇口から水道水が出ますが、一般的には井戸ポンプは手動ではなく、電動のものを設置する事が多く、停電になった場合井戸ポンプが動作しないため、水が使えなくなります。
ただし、家に発電機や太陽光発電がある場合は、そこから井戸ポンプに電気を送れば、停電の時でも井戸水をくみ上げることが出来ます。井戸水のみで生活用水をまかなうのであれば、停電時の対策をする必要がありますね。
【デメリットその3】井戸の水量が足りない場合がある
井戸水の水量は、井戸の形式(深さや井戸の面積など)や井戸の場所によって変ります。井戸から少ししか水が出ない時、全自動洗濯機やタンクレス式のトイレなどがうまく作動しないこともあります。
豊富だった水量が減ってきた場合は、メンテナンスによって復活をはかりましょう。
【デメリットその4】井戸ポンプの保守点検は必要
井戸水を電動ポンプでくみ上げている場合、井戸ポンプの中に溜まる砂を定期的に取り除く必要があります。
砂濾器(すなこしき)と呼ばれる部品を井戸ポンプ手前の配管に設置しておけば、砂は比較的少なくなります。
【デメリットその5】洗濯物の着色に注意
鉄やマンガンを多く含んだ井戸水を洗濯に使った場合、洗濯物が黄ばんだり黒ずんだりする事があります。
良い水を追い求めて深井戸を掘った場合、金属が井戸水に溶け込んでいることが多いのでこのような現象がよく起こります。特に鉄を多く含んだ井戸水のことは「かなき」や「そぶ」と呼ばれ、井戸水の相談ではトップになっています。
除鉄装置を設置するなどの方法がありますが、それなら水道水を使ったほうが安くつく場合も。
用途によっては井戸水の中に金属類が溶け込みにくい浅井戸を掘る方がいい場合もありますね。
井戸水を使う場合、洗濯機のメーカー保障(約一年間)の対象外になります。
【デメリットその6】洗濯&風呂同時使用で水量が不足する場合も
井戸ポンプの場合、井戸水でお風呂をためたりしている時に、全自動洗濯機で洗濯をしようとすると給水エラーが出たりします。「給水エラー」は、一定時間以内に給水が行われない場合に発生するエラーです。水量によっては、洗濯とお風呂ためは時間をずらしてするようなケースも出てくるでしょう。
【デメリットその7】蛇口から細かな砂がでる場合が
水道とは違って、井戸水の場合は蛇口から細かな砂が出てきます。状況に応じて、給水先にフィルターをつけて対応しましょう。
ざっくりこういった感じですが、こちら↓の方が大変詳しくまとめられています。
何でもよい事、そうで無い事はつきものですが、良くない事には対策をすることで、水道だけではない様々なメリットがあるのが家庭用井戸だという事が、お分かりいただけたでしょうか?