温泉ボーリングのトリビア

温泉を掘るのは、最近かなり価格が下がってきたと言いますが、どのように進め、どんなコストがかかるのかを簡単にまとめます。

まず掘る土地ですが、権利関係として自己所有の土地である必要がありますね。温泉には『所有権』が発生します。

目的の土地の近くに既存の温泉があるかどうかを調べます。その後県などに問い合わせるといろいろなことを教えてもらえます。実際にその場所から温泉が湧くかどうかは、土地の地層、地質、地形により変わります。

掘り当てる確率を上げるには『地質調査』が必要となります。『地質調査』も費用(ピンからキリまでさまざま)が発生します。正式な温泉として使う場合には温泉法に基づいた審査を受けなければなりません。全くの個人で使う場合、許可は必要ありませんが、こういうケースはあまりないので、温泉審議会に温泉掘削許可申請提出後、掘削許可証をもらい掘ることになります。

半年ごとに審査審議会があり、許可が下りるまで2、3カ月ぐらいかかります。審議会への申請が年に2回なので、それに合わせ掘削をします。次の申請までの約3カ月程度で掘削する事になります。

また、地質調査をしても必ずその通りに掘り当たるわけではありません。掘削ボーリングは専門業者によりますがm当たり1千万以上はかかります。岩など地下の障害物に当たると単価は高くなります。

うまく湯脈があったとして次の問題は『お湯の温度』です。源泉掛け流しというのはかなりの高温を必要とします=大体の温泉場は追い焚きをしています。(追い炊きのためにも設備投資を必要とします)

様々な意味でかなりの『不確定要素』が発生する事を視野に入れて計画をしましょう。

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マントル直接掘削!

井戸に直接関係ありませんが、今年のニュースの中で目をひいたのは、日本発・世界初の事前海底調査プロジェクトの始動です。地殻の下のマントルを直接掘削する!ロマンのある話じゃありませんか!

国立研究開発法人の海洋研究開発機構は、地球の内部にある岩石の層「マントル」を世界で初めて直接掘削して観測するプロジェクトに向け、16日からハワイ沖で事前の海底調査を始めることになりました。専門家は「地球の成り立ちを知る第一歩になる」と話しています。「マントル」は、海底から6キロほどの深さの地球内部にある厚さおよそ2900キロメートルに及ぶ岩石の層で、地球の体積の8割を占めています。

地震の発生や大陸の形成など地球のダイナミックな動きと関連しているとされますが、まだ直接観測されたことはなく、詳しい性質などはわかっていません。海洋研究開発機構は、世界で初めての直接掘削に向けて16日からおよそ2週間、太平洋のハワイ沖で、海底からマントルまでの距離が近い場所を、音波などを使って調査することになりました。

今後、中米のメキシコやコスタリカの沖合でも、掘削に適した場所を調べたうえで、10年後をめどに、世界トップレベルの掘削能力をもつ探査船「ちきゅう」を使って、マントルの掘削を実現したいとしています。

プロジェクトの中心的なメンバーでマントルに詳しい、静岡大学の道林克禎教授は「マントルには地球がどうのように作られどうなっていくかを知る手がかりがある。今回の事前調査が第一歩になると期待している」と話しています。(出典:NHK)

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