井戸のメンテナンスのための診断基準は?

井戸の状況診断は、井戸の健康管理の第一歩です。ご参考までに井戸の一般的な診断の仕方をご紹介いたします。診断内容はあくまでもご参考であり、ご使用の井戸とモ詳細は是非ご相談下さい。

井戸の能力診断 -比湧出量の算出方法-
竣工時と現在の水量を比較する方法です。

水位降下量を次式により算出します。
水位降下量(m) = 揚水水位(m)-自然水位(m)

比湧出量を次式により算出します。
比湧出量(m3/D・m) = 揚水量(m3/D)÷水位降下量(m)

竣工時の比湧出量値と比較し減少率を算出します。
減少率(%) = 現在の比湧出量÷竣工時の比湧出量×100

減少率がスクリーンの目詰まり、井戸の湧水量の状況を示します。現在の比湧出量が著しく少なくなってきた時には注意が必要となります。また、目視にて水に砂や濁りの混入が確認された時には、井戸に異常が発生している可能性がありますので、ただちに処置が必要です。

ポンプの能力診断 -全揚程の測定-
今度はポンプ性能の竣工時比較です。全閉圧とその時の水位を測定し、次式により全揚程を算出します。

現在の全揚程(m) = 全閉圧(MPa)+水位(m)
※全閉圧・・・弁を閉じてポンプを動作させた時の圧力。
※全揚程・・・水を送るのに必要な水圧の全ての合計。

竣工時と比較し減少率を算出して現在の能力を把握します。
減少率(%) = 現在の全揚程(m) ÷ 新品時の全揚程(m)

現在の全揚程が著しく下がっていると、ポンプの修理・交換が必要となります。

モータの診断 -絶縁抵抗値の測定-
モータの内部絶縁抵抗値の測定をします。モータは経時変化により内部の絶縁抵抗値が徐々に低下します。測定値が著しく下がっている場合には注意が必要です。なお、キャンドモータ(7.5kW以下)は、内部の絶縁抵抗値が急激に低下しモータが動かなくなる事がありますので、測定値の変化に注意してください。

また、制御盤の電流計の動きにも留意してください。ポンプ・モータ部の異常により、電流計の動きに変化が見られる場合もあります。

以上のような検査はもちろん当社にて承ります。(竣工時のデータは準備頂きます)現在の井戸・モータポンプの状況を的確に把握する為には、定期的な測定データの比較をおすすめします。

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