ずっと昔から存在していて名を馳せた井戸があるのかなと気になって調べてみました。これは関東近郊の3か所ですが、不定期で全国の井戸を追加してみたいと思います。
名水白木屋の井戸
東京都中央区日本橋1-4-1 旧東急百貨店内
江戸時代将軍家や諸大名に献上するほどの清水でした。
東京都の中央区の新橋から銀座4丁目を経由して日本橋から神田へ向う中央通りの日本橋交差点の一角にデパートの「白木屋」はありました。東急百貨店から複合ビルへと変遷して現在に至っています。江戸時代は「三越」の前身である呉服店「三井越後屋」とならび称される大店の呉服店でした。その「白木屋」の敷地内に「名水白木屋の井戸」はありました。周辺の住民の水の悩みを解消するために店内に井戸を堀って清水が湧き出たといいます。
磐井神社
東京都大田区大森北2-20-8
霊水磐井の井戸や鈴石など数々の言われがある神社です。
東京都大田区大森北にある磐井神社。敏達天皇の代に創建されたといわれており、貞観元年に官社に列した延喜式内社です。境内の左手には池がありそこに笠島弁天社が鎮座しています。また磐井の井戸の水には、万病に効く水があり、薬水とされ、心正しい人には清水だが、邪心のある人には塩水となるという言い伝えがあります。宝物として、区指定文化財である鈴石があり、この石を打つと、鈴が鳴るような音がするといいます。
一遍上人島井戸
神奈川県藤沢市江の島2-3-8 一遍上人島
島民を助けるため、時宗の開祖が掘り当てた井戸
時宗開祖の一遍は、1282年(弘安5年)3月1日、巨福呂坂から鎌倉に入ろうとするが、八代執権北条時宗に阻止されたため、片瀬で布教を行った。「一遍上人成就水道」は、飲料水に窮する島民を助けるために、一遍上人が堀当てた井戸と伝えられ、今も水をたたえています。(現在は周辺が民有地になっているため見学は出来ません。)
上人自筆と伝えられる「一遍成就水」の額は、江島神社に残されています。また、この近所にある蓮華池(私有地 見学不可)は、一遍上人修行の旧跡とされています。一遍とは「一にして、しかも遍く(あまねく)」の義であり、南無阿弥陀仏を一遍(一度、一回)唱えるだけで悟りが証されるという教義。俗名は、河野時氏とも通秀とも通尚ともいうが、定かでないそうです。古来日本では人の名をむやみに呼ぶべきではなく、ましてや実名では呼ぶべきではないという慣習があったためとされています。
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